タイのブルートレインに逢いに 元国鉄14系・24系 バンコク発チェンマイ行き13番列車乗車記


ブルートレイン。日本ではあと何本残っているだろうか。度重なる廃止でもう片手で数えて余るほどにまでその勢力を減らし、まさに風前の灯火だ。しかし、そうして廃止されていったブルートレインファミリーの一部は、東南アジアの国々に譲渡され、特別列車として大活躍している。その中で最も有名なのは、タイ国鉄北線の13・14番列車である。日本では見ることの少なくなったその勇姿を見るため、微笑みの国タイ王国を尋ねた。

バンコクとチェンマイを往復する特別列車は、24系・14系の元ブルートレインがフル編成で登板するタイ国鉄の看板列車である。

タイ国鉄は数年前にチケットのオンライン予約サービスを始めたおかげで、日本からも簡単にネット予約することができる。当日の2ヶ月前から予約ができるが、この列車は欧米からのバックパッカーから絶大な人気を誇っており、特に部屋数の少ない一等車(A寝台個室)はハイシーズンには予約開始から数日で埋まってしまう。かといってキャンセル待ちの現地予約は全くアテにならないので、ぜひタイに訪れる時期が決まり次第、すぐにネット予約をすることをおすすめしたい。座席の位置まで詳細に指定できるのは嬉しい。僕は迷わず、一等車を選んだ。反応の遅いサーバーにいらいらしながらクレジットカードで支払うと、Email宛にPDFチケットが送付されてくる。これをA4で印刷すればOKだ。
注意:2015年現在、予約システムは長期停止中です

日本で入念に準備を済ませ、羽田空港から深夜便でスワンナプーム空港へ降り立った。朝5時。日本では秋真っ只中だというのに、タイは蒸し暑い日が続いている。空港でAISとDtacのプリペイドSIMカードを購入し、持ってきたiPhoneとXPERIAに挿し込みセットアップを行った。本当は1台でもいいのだが、XPERIAはGPSロガーとして利用することにした。昔はインターネットを使いたいと思ったらカフェに行くしか無かったが、ほしい情報が海外でもすぐに手に入るのはとても便利になったものだと思う。インターネットには、旅先でなんども助けられた。ぜひSIMフリーのスマートフォンを持参することを勧めたい。

お目当ての13番列車は19時に発車する。予習を兼ねて、スワンナプーム空港よりAirport Linkに乗り、マッカサン駅へ向かった。このAirport Linkはシーメンス製のシステムで、最高速度は160km/h。空港を出ると、眼下にはタイの景色が広がり、海外に来たという実感がこみ上げる。実にスムーズに、マッカサン駅に到着した。外は激しく雨が降っている。乾季を選んで来たというのにいきなりの洗礼。晴れていればかの有名な傘折市場のあるメークロン線を訪ねてみようと思ったが、いきなり出鼻をくじかれてしまった。仕方が無いので、国鉄ファランポーン駅に行くため、マッカサン駅から少し歩いてMRT(地下鉄)に乗り換える。

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近代的なMRTを使って終点まで行くと、国鉄ファランポーン駅。まるで昭和にタイムスリップしたかのようなアナログ世界へ、ついにやってきた!タイ庶民の足である3等客車の編成や、はるか遠くからやってきた寝台列車。ズラっと並ぶ重厚長大な客車たちに、思わず見とれる。JRと違って、タイは車内改札となるため、ホームへの出入りは自由。しばし見学させてもらうことにした。

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早速鈍行列車が到着する。日本の10系軽量客車をベースとした車両だ。これが未だに主力として活躍している。駅に停車し、大勢の乗客が一斉に降りると、すぐさま清掃が始まる。その方法たるや実にシンプル。ホースを持って水を車内にぶっかけるのだ。当然車内は水浸し。洪水が頻繁に起こり、線路が冠水しても列車を走らせるタイ国鉄とそれを利用する国民にとっては、なんの変哲もない日常の光景だ。しかし、そんなに豪快に水をぶちまけては車体が錆びるのではと、旅行者である僕は心配でたまらない。日本ではただでさえ一段下降窓による腐食のせいで、廃車が早かったと聞いているのに・・・

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ファランポーンのおもしろいところはそれだけではない。まず入り口から見てホーム右手奥にはいつも車両が留置されている。そこを見てみると、なんといたのはブルトレ改造のVIP車両。展望車になっている!恐るべしマッカサン工場。一般人も乗れるものなら、ぜひこれで旅してみたい。中は大柄なソファが豪華に並べてあった。さらに12系、14系座席車両が手を繋ぎ、派手なラッピングをされた状態で鎮座している。もう国鉄型祭りである。日本ではこんな光景は絶対に見られないものだから、面白くて仕方がない。さらに奥へ進むと、これまた改造された12系がいた。ドアにはボタンが付けられ、半自動化改造がなされているようだ。隣の車両は旧型車両で、ドアが開いている。そこから12系の中に入ることができた。中は真新しい革張りのソファに置き換えられており、1+2の配列。ユニットサッシの車両にこのインテリアはなんとも不釣合い。シートピッチなど合っているわけもない。奥のドアはなんと両開きに改造されており、車椅子対応と思われる昇降機が備え付けられていた。何かのイベント用とみて間違いなさそうだ。

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そういえば、チェンマイからバンコクに来る列車は14番列車だ。もしかしてそろそろついているかも───そう思って今度は左端のホームへ行ってみる。やはり、知らぬ間に14番列車は入線していた。

ずっと憧れていたタイで活躍する元日本のブルトレ。ついにご対面だ。今やパープルトレインだが、やはどの角度で見ても美しい。日本にはないけれど、この色も悪くないと思う。仏教が生活に根づいているタイでは紫は高貴な色だ。そして14系・24系はそれにふさわしい客車と言えるのではないだろうか。そしてこれが、今日の宿である。

バンコク発チェンマイ行き元ブルートレイン 13番列車

しめしめ、清掃中でまだドアは開いている。日本だったらそこに忍び込んだら職員が血眼で探しに来るが、タイは実におおらかな国。ちょっとだけ中を探検させていただくことにしよう。客車文化であるタイのプラットホームは低床式である。そのためドアまでのステップが足りずにタイ国鉄がドア部分にステップを新設している。そこへ足をかけ、日本語で「自動ドア」と書いてある折戸を手で開ける。なんとも新鮮である。

車内に入るとサービス電気が届いていないらしく、薄暗い。そうするととなりのホームでは回送用機関車の併結作業が行われていた。それを見ようとあわてて反対側のドアをあけてみる。すると、「ガッシャーン!!」一体何がおこったんだ!?衝突しているじゃないか!しかし、これはタイ流のれっきとした連結作業。彼らは機関車で回送する車両をぶつけて連結させる。客車もたまったものではない。とにかくその衝撃音たるや相当のもので、よく壊れないなと感心してしまう。さてもう一度車内に戻る。ここはB寝台。デッキも日本時代そのまま!斜めにつけられたドアの取っ手に「ひく」と書いてある。昔の日本にタイムスリップしたようだ。寝台も日本時代そのまま。とてもきれいにメンテンスされており、ほかの一般型客車と比べるとかなり手厚いケアを受けているようだ。トイレも、洗面所もほとんど日本時代と変わらない。車内の様子はビデオを参照してほしい。

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さて、軽く探検をしたところでちょっと街へ繰りだそう。

***

街の観光を終え、再び夕刻にファランポーンに戻る。駅の売店で瓶入りのチャン・ビア(像ビール)を買う。日本で有名なビアシンよりも安くてタイ人に人気の銘柄。そしてレジの女の子の笑顔が素敵だ。彼女は瓶と一緒にストローを入れてくれた。タイの人たちにとっては飲み物をストローで吸うのが常識。

さて、ホームに出よう。もうお目当ての13番列車は入線しているだろうか。期待を胸にホームに入ると、そこには美しい紫色の長大編成の姿があった。いよいよ、旅が始まる。

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バンコク発チェンマイ行き元ブルートレイン 13番列車

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今日はオロネの個室だ。オロネはホームの入り口から一番近い場所に停車している。ドアの前で検札をし、確認ができるとボーイがスーツケースを部屋まで運んでくれる。ずっと憧れていた、オロネ25 300番代A個室寝台、シングルデラックスである。

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タイ国鉄 オロネ25 A個室の窓

車内を見ていくと、オロネも昼に見た車両の例にもれずほとんど日本で活躍していた頃そのままなのが嬉しい。日本語のままのコントロールパネルも健在でもちろん動く!コンセントも通電!唯一惜しいと思ったのは個室のドアが外側からロックできない点だ。日本にいた頃はカードキーによるセキュリティが完備されていたがそんなハイテクはタイには似合わないと思ったのか、他の電装系とは対照的に潔くオフにしてしまったようだ。だからスーツケースに鍵をかけて出ていくことになる。しかし、値段もすべてあわせて6,000円程度と日本に比べたら信じられないほど安く、編成の端っこに連結され一人個室でプライバシー確保はもちろん防犯上もいい。しかも「寒すぎる」と評判のタイのエアコンも、そうならないよう自由自在に操作できる。二等もいいが、バックパッカーが多いので夜まで酒盛りなどがあるかもしれない。もし迷っているなら快適な一等車をおすすめしたい。

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オロネ25 コンセント

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オロネ25 洗面台

腰を落ち着かせるとまもなく食堂車のスタッフより熱烈なオレンジジュースのサービングが始まる。考えるまもなくOne? Two?と聞かれたのでOneと答えると値段も聞かずにおもむろにストローを刺して60バーツを請求された。一等車のサービスだと思っていたら、有料だったらしい。ヨーロッパのシティナイトラインは朝食までタダでつくのに。まあ、別にあっても困らないのでその時は素直に代金を払ったが、いらないならNo thanksと断ることが重要だ。でも味はけっこうおいしい。そのオレンジジュースを吸いながら、こんどこそ腰を落ち着けようとすると、今度は違う食堂車のスタッフが部屋の前まで夕食の注文を取りにきた。頼めば部屋までデリバリーしに来るらしい。しかし、夜は食堂車で、と決めていたから、向こうで食べるというと、そっちで出してやるから今決めろと言ってくる。それでは、とチキンに魚介全部入りのセットにした。予約は9時。タイ語訛りの英語で何を言ってるのかよくわからなかったがなんとか予約はできたようだ。

定刻を遅れること約15分。列車はやっと走り出した。もしかしてドアを押せば開くのではと思いぐいと押してみると、きちんとロックされている。開け閉めは手動なのに・・・。不思議に思っていると裏技発見。なんとボーイが非常用ドアコックで都度開け閉めしているらしい。人海戦術である。ちなみに人によってムラがあるのでたまに閉まってないまま爆走していることもあるが、一応開けてはダメなことになっているらしいので見つけても開けないようにしよう。

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フアランポーン駅を出ると、間もなく列車はスラムを通りぬけ、しばらくすると郊外をひらすらまったりと走る。個室の電気を消灯させ、バンコク郊外のエキゾチックな流れる夜景をチャン・ビアをあおりながら楽しむ。欧米からの旅行者が多いので、やたらとにぎやかな雰囲気になることも覚悟していたが、意外なほど静かで、列車の走行音のみが耳に入ってくる。

夕飯予約の時間も近くなり、車内探検も兼ねて食堂車へ向かうことにした。旧型客車の食堂車に向かうには、B寝台を何両も超える必要がある。早速移動してみるが、利用者は地元の人が乗っているのか不思議になるほど欧米人がほとんどである。ハイシーズンということもあるが、タイ国鉄の誇る特別列車であるため、やはり寝台の値段は高め。そのため必然的にインターネットで予約してきた欧米人で寝台が埋まる、という構図ができあがるようだ。酒を飲んで盛り上がっている車両、静かに夫婦が談話をしている車両さまざまで、B寝台を予約した場合どの車両に当たるかは運次第といったところか。

さて、数両のB寝台を越えると、ついに食堂車が見えてきた。日本の食堂車は全滅の危機に瀕しているため、往年の雰囲気が楽しめるだろうと思ってドアを開けると、そこに見えたものは信じられない光景であった。ボロボロの車両から聞こえてくるのは列車とは思えないダンスミュージックの重低音。LEDで装飾された薄暗い車両の中で欧米人がビール瓶を片手に声を張り上げ踊りまくっている。どうやらこの食堂車の実態はクラブ営業車であるようだ。彼らは列車だろうが何だろうか楽しければいいらしい。意表を突かれながらも、こうした雰囲気は苦手ではないので、気持ちを入れ替えてとりあえず席につくと、すぐに用意されていた料理が出てきた。蒸したチキンと魚介がいっぱいの皿に、ナンプラーの香りがするスパイスの効いたソース。見るからにタイっぽくてうまそうだ。ビア・シンをあけてさあ食べようかと思った矢先、自分の席の周りだけやたらとうるさいことに気づく。不思議に思って机の下を見てみると、テーブルの台座にウーファーユニットが括りつけられていた。タイ国鉄はこんなものを標準装備として車両に設置するのだろうか?ボーイが好きで勝手に持ち込んでやっているとしか思えないのだが・・・。(大体彼らが一番楽しそうだ)一人のスタッフがニヤニヤしながら天井の蛍光灯を抜いて車内を暗くすると、居合わせた乗客から盛大な歓声が発せられ、いよいよフロアのテンションは最高潮に。踊り狂っている欧米人を眺めながら、窓全開で爆走する食堂車で激辛のタイ料理を食らうという混沌の雰囲気を楽しんだ。こんなこと、日本だったら絶対に許してもらえないだろう。自由ってのは、いいことだ。

ちなみに全編成の中で、タバコが吸えるのは窓の開いているこの食堂車のみである。そのため、夜はそれ目的で漂流してくる欧米人と相席になることもしばしば。前の席に座ったヨーロッパ人と握手をして適当に英語で会話をした。でも、音がうるさすぎて何を言ってるのかさっぱりわからない。ドイツからチェコ・プラハに向かうシティナイトラインに乗った食堂車も、バーテンがジャーマンテクノをかけながら踊っていたけれど、今回乗った食堂車はそれをはるかに上回るぶっちゃけっぷりだ。これはたまたまなのかもしれない。それにしてもこの車両、今にもバラバラになりそうなほどバウンドしながら走行している・・・(揺れが激しい原因はのちにわかる)

食事を済ませ、部屋に戻る。良い感じにアルコールも回ってきたので、このへんで今日は休むことにする。

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イサーンの朝焼け

翌朝目をさますと、時計は4時を回ったところ。列車は相変わらずのろのろと走っており、太陽が今まさに顔を出そうとしているところであった。外の空気を吸いに、まだ寝静まっているB寝台を通りぬけ、食堂車に向かう。まさかこんな朝早くに営業などしていないだろうと思って戸をあけると、入るなりまたオレンジジュース売りがいらないかとセールスをはじめる。そう、もう朝営業が始まっているのである。タイ人恐るべし。毎回ここに来るたびに想像と違う光景で驚かされるが、昨日のどんちゃん騒ぎとは打って変わって、車内は静寂を取り戻している。これが本来の姿である。

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駅なのか信号所なのかよくわからないところに数分停車したのち、ゆっくりと走り始める。清々しい朝風が車内に入ってくる。見渡すと民家はほとんどなく、ひたすら田舎の中を大きなカーブを描いて走り続ける。窓の外を覗くと、長大編成がきれいな弧を描いている。食堂車だけが旧型車であるが、それにしても前後を挟む24系ブルートレインの車体は大きい。どうやらこの図体のでかさのせいで、活躍できる線区が限られてしまうらしい。

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紅茶を飲み終わり会計をしたあと、部屋においてきた荷物が心配になり、また自室へ戻る。

GPSを確認するが、時刻通りであるはずもなく、見当違いな場所をのんきな顔で走っている。ところでこのオロネA寝台車両には、JR時代から洋式トイレの反対側にシャワー室も備え付けてある。こちらも基本的には日本時代とあまり変わっていないが、シャワーカードを突っ込むとお湯が出てくるハイテクシステムなどあるはずもなく、蛇口をひねれば勝手に水が出てくるアナログ式に改造されていた。

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いよいよ山深くなり、携帯電話の電波も途切れ途切れ、つながってもEDGEとなりインターネットは遅くてとても使いものにならない。部屋に朝食が運ばれてくる。目玉焼き、トースト、紅茶にフルーツというスタンダードな構成だ。バターはすでに塗られてある。流れる自然の景色を眺めながら個室でゆっくりと寛ぐのは1等車ならではという感じがして実にいい。日本の寝台車にもこのくらいのサービスはあってもいいと思うが、人件費がバカにならないだろう。食べ終わった皿は、適当に室外に出しておけばあとはボーイが片付けてくれる。

山岳地帯に入ってしばらくすると、かなりの標高になっていることに気づく。そうして下を見ていると、あっ!と言うほど高い鉄橋を列車は渡る。ここはチェンマイまであと60キロというところにある区間。チェンマイ目前のハイライトだ。見逃したくない人は、タイミングを見計らって食堂車に陣取ると良い。

山を下り始めると、ボーイが個室をノックして、チェンマイ!フィフティーンミニッツ!と声がけをしにくる。ちなみに隣の部屋の女性はその時留守だったのだが、5分後に戻ってきた時もボーイはチェンマイ!フィフティーンミニッツ!と言っていた。実に適当である。

結局そこから20分くらい走ったと思うが、ついに列車は徐行運転をしながらチェンマイ駅構内に入線した!12:40着。定刻が9:45着なのでたっぷり3時間遅れたことになる。にもかかわらず、日本ではあたりまえの「申し訳ございません」という放送は当然一切ない。これがタイスタイル。まともに謝ってたらそれだけで一日が終わってしまうだろう。

久しぶりに車外に出ると、チェンマイの蒸し暑い空気が迎え入れる。昨日のバンコクとはうって変わり、ギラギラするほどの太陽が真上で照りつけている。乗客が外に出るやいなや、待機していた清掃員がポンプで水を車体にかけはじめる。ついたら即座にホームで清掃をはじめるのがタイ式らしい。30分程度停車したのち、機関車を最後尾にくっつけると回送がスタート。特別列車だからなのか、いつもは手荒な連結もかなりやさしく扱っている。汽笛を鳴らすと12両の編成を引き連れて奥の線路に引っ込めていく。700キロの長旅が今幕を下ろした。

このブルートレインを目的に乗ったと思われる定年を迎えた頃の男性もホーム先端でずっと回送を見守っていた。ブルートレインの旅に魅了され、海を渡って列車に乗ったのは、自分だけではないらしい。日本では希少となった、旅情をかきたてる、優雅で贅沢な旅が、ここにあった。海を渡った国鉄型ブルートレインたち───これからもずっと、タイの地で愛され、大切にされてほしいと感じた。

バンコク発チェンマイ行き元ブルートレイン 13番列車

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バンコク発チェンマイ行き元ブルートレイン 13番列車

タイブルートレインルポ、いかがだっただろうか?ちなみにチェンマイ駅では回送後、しばらくするとまたホームから見える位置に引き返して、また出したり引っ込めたりを繰り返していた。到着後も、好きな人ならばしばらく楽しめるだろう。そして降りて気づいたが、食堂車が車両中心部を頂点として左右がひん曲がっているように見える。タイの連結作業は、連結というより衝突なので、それを繰り返すうちにこの車両がこうなってしまったのかもしれない。よく脱線しないなと関心さえしてしまう。よくバウンドする食堂車は、こうして完成されたのかもしれない・・・

その後僕は、名物カレーヌードル「カオソーイ」を食べに、ソンテウに乗ってチェンマイの街へ繰り出した。

 


セカンドライフトレイン ニッポン列車異国紀行 タイ編~北線・東線の旅~「異国で再会、ブルートレイン!」 [DVD]

 

【完】

バンコク発チェンマイ行き元ブルートレイン 13番列車

バンコク発チェンマイ行き元ブルートレイン 13番列車

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国鉄型HD について

国鉄型をこよなく愛する自由人。小型カメラを片手に日本全国どこへでも。

投稿日: 1月 27, 2013 | カテゴリー: 国鉄型乗り鉄記 | パーマリンク 10件のコメント.

  1. タケの介

    懐かしいブルートレイン、細かな紹介を拝見、ありがとうございました。
    藤井伸二さんの「タイ鉄道散歩」と併せて拝見。
    遅まきながら、11月にSP13に乗車すべく、手配を依頼しました。

    • コメントありがとうございます。励みになります。11月は乾季で、とてもいい季節ですね。暑いですが、まだ夏はまだまだ終わらないという感じでいいと思います。ぜひ、楽しんで来てください!

  2. 私は8月29日にこの13に乗ろうと思っています。オンラインで購入するところまで行き着けません。涙
    現地で買うことになるのでしょうか。楽しみです。

    • コメントありがとうございます。最近システムが落ちてるみたいですね。しばらく復活はないでしょう。運次第ですが現地で買えるといいですね。乗っていたのは外国人がほとんどでしたので、オンラインが使えないとなると現地で買える確率は前よりも高そうです。幸運を祈ります。

  3. いそかわ

    改めて素晴らしいルポです。予定通り先月行ってきました。お勧めの13号1等個室寝台に乗って来ました。私は鉄ちゃんではないですが、49年前の9月30日、そうです、新幹線運行前日に、最後のあさかぜで東京/博多間を家族旅行したのですが、あれはそのときの寝台特急だったのではないでしょうか。小学3年生だったので記憶も薄らいでいますが、確かあんな感じでした。個人的にメールをいただけたら嬉しいです。

  4. のこのこ

    タイに渡ったプルートレイン、元気に活躍しているようで何よりです。
    見たところ、オハネフ25やスハネフ15が多いのでしょうか・・・?
    きれいに塗りなおされて、室内もメンテナンスされているようですね。
    フィリピンに渡った客車はかなり痛々しい状態でしたが、こちらは程度も良さそうでホッとしました。

    気になるのはドアの扱いが適当なこと、連結の扱いが荒っぽいことでしょうか(^^;)
    日本では用途がなくなり廃車になる鉄道車両は多いですが、こうして大事に使ってもらえると
    車両もきっと喜んでいるでしょう。
    需要があるなら、国レベルでどんどん譲渡してもらいたいですね。
    どうかタイの皆さんにかわいがってもらい、末永く走ってほしいものです。

    • 返信が遅くなりましてすみません。今年も見に行ってきたのですが、元気なようでした。このままずっと使い続けられてほしいですね。今年は乗っていませんが、映像は撮ってきましたので、のちほどアップします。今後も日本では廃車が進むと予想されますので、できればフィリピンやミャンマーではなく、みんなタイにわたって、活躍してほしいですね。

  5. 日本のブルートレイン客車がタイやフィリピンで第2の人生を送っているのはとてもうれしい限りですね。自分もタイ国鉄が大好きでよく乗りますが残念ながら14系、24系客車には縁がありませんね。バンコク~チェンマイの北線はどの列車にも欧米人旅行者が他の路線に比べたら多いですね。先日はバンコク~チェンマイ間、往路はRapid109列車の2等Fan寝台車(この列車は寝台車が1両のみの連結で、寝台車も含めてオールノンエアコン車でした。12:45pm発翌朝4:05am着)。チェンマイには1時間遅れで到着。そのまま駅周辺で時間を潰して、復路はOrdinary(各駅停車)408列車で途中のピサヌロークまで行き、そこで1泊して翌朝引き続きピサヌローク始発のOrdinary202列車でバンコクに戻りました。個人的にはRapid109列車お勧めです。寝台の切符は他のチェンマイ行きに比べたら比較的取りやすいです。新しい写真、映像お待ちしております。

    • Rapidに乗車されたんですね。私はノンエアコン車に乗ったことがないので、できれば古い型の三等寝台みたいなのに乗ってみたいのですが、毎回行くたびにどの路線に乗ろうかと思った挙句、あきらめてしまっています。仕事をしている手前、休みをとっても1週間が限界ですが、切符の安さとは対照的に、まったりとした列車の旅はとてつもなく贅沢なもので、窓をあけて、ぬるい夜風を感じながらレールの音に耳を傾けてビールでも飲みたいものです。次に行けるのはいつのタイミングか・・・。ブログはなかなか更新のペースが遅いですが、今後もぜひ、見ていただければと思います。ありがとうございます。

  6. めじろの爺

    2008年に同じ19時発のブルートレインに乗りました。 一等寝台の個室ですが、料金を二人分払って(確か、THB3,800-)一人使用にしました。
    出発が一時間半ほど遅れましたが、結局チェンマイにはそのままの遅れで10時半ごろだったかに到着しました。
    一度乗っておきたいと思い、駐在中の思い出として乗ったものです。忘れられない旅でした。

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