国鉄王国「北陸本線」の終焉、さらば正統派急行形455系・475系

<参考:475系運用一覧>

2015/2/22時点。運用は変更されることがあります。以下の車両運用の正確性について、国鉄型HDは一切責任を持ちません。

列車番号 出発 到着 区間
423M(413系代走?) 5:59 7:04 金沢-富山
427M 6:50 8:38 金沢-黒部
471M 17:38 20:05 金沢-糸魚川
483M 19:55 20:55 金沢-富山
524M 6:42 8:44 泊-金沢
526M 6:36 9:17 糸魚川-金沢
9430M(土日) 9:17 10:06 富山-金沢
536M 8:55 9:25 黒部-富山
466M 18:29 19:39 富山-金沢

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北陸本線で正統派の国鉄急行形、475系が最後の力走を続けている。北陸新幹線開業後、新潟、富山、石川をまたぐ北陸本線は第三セクターへ転換されると同時に、475系の引退がほぼ確実視されている。

ほんの数年前まで、まさに北陸本線は国鉄型の楽園であった。昼は、地域輸送を支える413系・475系、キハ58系、「魔改造」こと419系、大阪・新潟からは485系、夜になると583系急行きたぐに489系急行能登(稀に特急はくたか代走)、寝台特急北陸、日本海・・・。北陸地方のターミナルは、どの駅だって長時間居座っても飽きることがなかった。交直両用でないと走れないという特殊な環境と、JR西日本の台所事情により、まさに30年前にタイムスリップをしたかのような古き良き車両たちがそのまま残った。高度経済成長期から続くその活躍年数が高い信頼性を裏付けている。

北陸地方の都市からは、古いものを大切にしながらも、先進的で優れたものを受け入れていく姿勢が垣間見れる。例えば金沢は、伝統的な町並みと、21世紀美術館やJR金沢駅などの洗練されたデザインが、うまく調和しながら共存している。デザインの公共性というものをよく考え、時代を超える価値があるものを見極める力がないと、このような街を作ることはできない。北陸地方の都市で未だ現役で路面電車が活躍していることも、その例のひとつといえる。

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▲風情ある金沢の町並み

首都圏からは時間的な距離がずいぶんとあったが、それでも行く甲斐のある街ばかりだと思う。しかし、新幹線の登場で、少しずつ変化が出てくるのかもしれない。

日本屈指の幹線である北陸本線。そんな国鉄王国が終焉を迎えようとしている。最後の正統派国鉄型の生き残りが、この475系と言えるだろう。兄弟車種である455系は、子供の頃によく乗っていた車輌であるから、実に思い出深い。このルポでは、2012年と2015年に訪れた時の状況を、比較しながら執筆していく。

2012年夏

2012年は「急行きたぐに」「寝台特急日本海」の定期運用が消滅し、臨時運行に切り替わった年だった。寂しいニュースが少しずつ増え始めたのは、この頃だったように思う。僕はこの年の夏も、東京から北陸へ出向いた。ちなみにその時に使った列車も、今はなき「ムーンライトえちご」であり、まさかこちらも2年以内に無くなってしまうとは、夢にも思っていなかった。

DSC00741f223467472▲きたぐに、日本海の乗車案内と475系。このような風景はもう二度と再現できない

早朝の長岡で同時期に臨時化された寝台特急日本海を見送ってから、鈍行を乗り継ぎ直江津まで向かう。直江津では、ネットでの情報通り、475系がホームで待っていた。まずは、「親不知」へと向かう。

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親不知は無人駅だ。観光客が降りるような要素はない。けれども、北陸自動車道と国道が急な岸壁への建設を避け、高架上に突き出しているという特長ある風景を見て、以前素通りした時に次回の訪問時はぜひ下車してみようと思った場所だった。

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見事に晴れた夏の一日。駅の日陰で爽やかな海風を浴びながら、しばらく次の列車を静かに待つ。駅舎は僕以外に誰もいない。しばらくすると、また475系がやってくる。今度はなんと幸運なのだろうか、国鉄急行色に塗り替えられた475系A19編成だった。

しばらく国鉄型モーターの音に聞き入り、金沢駅へ。到着すると回送となり、車庫に引き返す。この大型のヘッドライト(いわゆるデカ目)は白熱灯を用いたもので、実にゆっくりと時間をかけて明るくなる。

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金沢駅のプラットフォームから、姿が見えなくなるまで見送った。これ以降、僕は国鉄急行色のA19編成に再会できていない。もしかすると、次にお目にかかるのはどこかの博物館かもしれない。

2015年冬

2年半ぶりに金沢を訪れた。しかし、以前と状況は全く異なっていた。すでに475系の運用が大幅に削減されたあとであった。朝と夕方の運用しか残されていないなんて、少し前までは考えられない状況だ。乗った列車は金沢駅を17:38に発車する普通糸魚川行き471M。富山までの約1時間、夜の風景を楽しむ。

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北陸の475系は2ドアによる遅延影響を考慮してか、デッキ部分の扉が省略される工事を行ったものがある。急行形特有の重厚感は少し失われてはいるものの、まだまだ趣ある箇所が随所に残っている。例えば運転台。6両編成の場合は、中間車両でじっくりと観察することができる。レトロ感あふれる運転台が、白熱灯のやわらかいライティングで照らされる。このやさしさは、デジタル制御の計器類と発光ダイオードでは絶対に生み出すことができない味わいだ。

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通気口や窓の多さなど、急行形の設計はいろいろな条件下で快適に過ごせるよう当時なりの工夫がされており、今主流のコストダウンという考え方とはある意味真逆とも言えるかもしれない。今となっては無駄とも言える設計も垣間見えるが、それもまたいい味わいを醸し出している。

▼別のタイミングで撮影したB11編成(475系+412系のレア編成)の車内探索動画

ゆっくりと、夜の金沢駅を発車する。三連休の中日。車内はまずまずの乗車率だ。少なくとも、都市間輸送では北陸本線はうまく機能しているように見える。その生態系は、新幹線開業後どのように変化するのだろうか。そんなことを、真新しい高架橋を見上げながら思う。新幹線と並走する区間がそれぞれえちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道になる。

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列車は遅れることなく、確実にダイヤをこなしていく。ホームに到着するたびに一枚の大きな片開き扉が開閉する。この扉も、もはや特急形・グリーン車を除いては絶滅危惧種である。

ホームに降りる。この日は、真冬だというのに、雪ではなく冷たい雨が降っている。もしかしたら、元気に動き続ける475系に乗るのは、これが最後かもしれない。しかし、悔いはない。今日はお別れの挨拶をしに、北陸まで来たのだから。子供の頃から、本当に長い間、僕はこの形式の車両にお世話になったのだと、しみじみ思う。

車齢が40年を超えてなお大切に使われる475系によって北陸の都市間輸送が支えられてきた。しかし、もうすぐ記憶の中にしか存在しないノスタルジーになろうとしている。都市間交通という軸で考えた場合、475系亡き後の変化は、歓迎すべきか、悲観すべきか。今後も北陸から目が離せない。

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運転室展望ファイルVOL.16 JR西日本 475系普通列車 北陸本線 富山~直江津 [DVD]
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国鉄型HD について

国鉄型をこよなく愛する自由人。小型カメラを片手に日本全国どこへでも。

投稿日: 1月 31, 2015 | カテゴリー: 国鉄型乗り鉄記 | パーマリンク コメントする.

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